DV夫と離婚したくない被害者女性の心理|別れられない理由とは

DV(Domestic Violence)とは、家庭内暴力の略称です。

近年、パートナーからの暴力を受けている被害者の女性が増加傾向にあります。

DV男が原因で離婚することを決意する夫婦も多いですが、中には激しい暴力を受けながらも、DV男となかなか別れられない女性や離婚したくない女性も少なくありません。普段は優しいのだからと離れられないと主張する人もいます。

そこで今回は、暴力を振るうDVをする夫と、なぜ別れられないのか、 なぜ女性は戻ってしまうのか、その心理状況や理由、妻の特徴、DVと共依存、夫から暴力を受けたら弁護士に相談すべきかについて解説します。

DV男の4つの種類|妻を殴る夫から別れられない!

そもそもDV男、妻を殴る夫の暴力にはいくつか種類があります。

直接的な暴力だけではなく、女性はさまざまな暴力を受ける可能性があります。主なところでは次の5つが挙げられます。

  • 直接的な暴力をふるってくる「身体的暴力」
  • 経済面で支配する「経済的暴力」
  • 他人から隔離する「社会的隔離」
  • モラハラ(モラルハラスメント)と呼ばれている「心理的虐待」
  • 性行為を強要される「性的虐待」

これらは単体で行われたり複数の種類を組み合わせて行われており、内容が複雑になるにつれて妻は逃げられなくなったり周囲に訴えられなくなるので第三者からは発見されにくい傾向があります。

また、問題なのは、夫から暴力を受けても離婚したくない、妻を殴る夫であっても、普段は優しいから離れられない、別れられない、戻ってしまうという点も重要です。

DV被害者|戻ってしまう・離婚したくない妻の心理|なぜ別れない?

DV被害を受けていても、被害者も離婚はそう簡単に決断できるものではありません。しかし、なぜ別れないのでしょう。日々辛い思いをしながらも、なかなか離婚に踏み出すことができずにいる人・離婚したくない人、戻ってしまう人、離れられない人は少なくないです。

そこでここでは、DV被害を受けていながら離婚できない・離婚したくない妻、被害者の5つの心理、理由について解説していきます。

妻の特徴① 夫から暴力を受けた女性は、夫のことが好きだから戻ってしまう

どんなに夫から暴力を受けても、心無い言葉を吐かれても、夫のことが好きだから一緒にいたい、戻ってしまうと被害者は考えます。

DV夫は、普段は温厚で優しい傾向があります。また、DVも毎日されている訳ではないということもあります。そのため、夫のいいところに触れることもあり、なかなか嫌いになることができないのです。

付き合っていた頃は暴力がなかったような場合には、「反省して昔のように戻ってくれるのではないか、好きになってくれる」という期待を込めているようなケースもあるので、これも離婚したくない被害者の心理の一つといえます。

妻の特徴② DVと共依存夫婦|お互いに相手が必要

夫には自分が、自分には夫が必要だから離婚しない、離婚したくない、戻ってしまうと考えている被害者もいます。

このように、お互いに相手に対して自分自身の存在価値を委ね合っている心理状態を「共依存」と呼びます。カップルであっても夫婦であっても「自分がいないとだめだ」と思い込んでしまっているところが特徴です。

DV夫側としてはDVによって妻が自分から離れてしまうかもしれないという恐怖心から謝ったり優しい態度を取り、それを受けた妻は「普段は優しい夫がこんなことをしたのは自分が悪い」と感じてしまいます。そこから「自分が夫を支えなければいけない」、「自分がいないとこの人はだめだ」と感じるようになり、離婚したくないと思い、そのままDVを受け入れてしまうのです。これが共依存の怖さです。

こうして妻が自分から離れないと確信した夫は一時的に優しくなるものの、何らかのきっかけでDVを行ってまた謝ったり優しい態度を取る、というループを夫婦で繰り返すようになります。

これが共依存であり、周囲がDVを指摘したり別れることを助言しても「自分の存在価値が否定される」と思い込んでしまうため、被害者である妻はなかなか別れようとしない、戻ってしまう、離婚したくないのです。

妻の特徴③ 怖くて離婚を切り出せない

「離婚を切り出したら何をされるかわからない」と、離婚を切り出すことに怯えて離婚できない、戻ってしまうというケースもあります。

DVから逃げられない女性に多い心理状況として、「暴力による恐怖に支配されている」状態があります。女性にとって暴力を振るわれるのは恐怖であり、場合によっては命にかかわるほど深刻な問題となります。

そのため無理に逃げ出すよりもおとなしく従っていた方がいい、離婚はせずに黙っている方が安全と考えてしまい、暴力による支配で正常な判断力が鈍ってしまいます。

このように、DV夫によって心理的に支配されてしまい、離婚したくない、できないと被害者は考えてしまいます。

妻の特徴④ DV夫の収入に生活が依存で離れられない

自身の収入がない、もしくは少なく、DV夫の収入に依存した生活を送っているため、離婚できない、離れられないということもあります。

特に専業主婦の場合には、新しく就職先を見つけなければなりませんし、離婚に伴う引越しや諸手続きの費用、離婚後の生活費の確保も必要になります。今後の不安定な生活を考えると、「少し辛くても我慢して、今の生活を続ける方が良い」と感じてしまうのです。

このように経済的な理由を心配して、離婚できない・したくない、離れられないと被害者は考えます。

妻の特徴⑤ 子供への影響が心配

離婚に伴う子供への影響を心配して、離婚できないということもあります。

どんなに暴力を振るう旦那であっても、子供にとってはたった1人の父親です。「子供を片親にしたくない」と、子供を優先して我慢することを選びます。

また、子供がいる場合には離婚後の生活に不安を抱えている場合も多いです。子供を育てる費用を考えると、養育費があったとしても、離婚する決断はできないと考える妻も多くいます。

このように、子供にまつわる様々な問題を考えて、離婚したくないと考えます。

妻の特徴⑥自己評価の低さ

DVの被害者はしばしば自己評価が低くなり、自分に価値がないと感じることがあります。

そのため、自分が幸せになる権利がないと考え、離婚を考えることが難しくなる場合があります。

自己評価の低さは、DVの被害者にとって深刻な問題です。彼女たちはしばしば自分に対する自己価値を低く見積もり、自分自身に対する信頼や自己肯定感が不足しています。

このような自己評価の低さは、DVの加害者からの精神的な虐待や攻撃の影響を受けています。

妻の特徴⑦希望や変化への信念

妻は夫との関係について、将来的な改善や変化を期待している場合もあります。

DVのパートナーとの関係を修復したいと願っていることが、離婚を避ける理由になる場合があります。いつか、必ず、夫がDVをやめると信じているケースがあります。

DVの被害者であっても、彼女たちは夫との関係を修復したいと願っている場合があります。

このような希望や信念は、離婚を避ける理由の一つとなり得ます。彼女たちはいつか、夫がDVをやめて変わると信じています。夫の言葉や行動に変化を見出そうとし、それが関係を改善し、幸せな未来を築く一歩となると期待しています。

このような希望や信念は、DVの被害者がDVパートナーとの関係に固執する理由の一つです。彼女たちは自らの信念に従い、夫との関係を改善することに意欲を持ちます。

しかし、夫がDVの行為を繰り返し、改善の兆しを見せない場合、彼女たちは失望や苦悩に直面することになります。

まとめ

今回は、暴力を振るう妻を殴る夫について、夫から暴力を受けた離婚したくない別れられない妻の特徴や心理、DV男の被害者が戻ってしまう理由、それでも夫が好きで離れられない理由、DVと共依存について解説しました。DVは許されざる行為です。

DV被害を長年受けているとどうなる?

DVを受け続けているうちに精神的なストレスから「自分のためにこのようなことをしているんだ」と考えるようになってしまうなんてことも少なくありません。

被害女性は、暴力によって精神的に支配・洗脳されてしまっていることが多く、中には現実逃避を起こして自らDVを受け入れてしまう人も少なくありません。

DV夫に暴力を受けたら離婚すべき?

もしも夫からDV・暴力を受けたら、どうすべきしょう。

悩んでいるのであれば、DVを受けている自覚をしっかり持って離婚に向けて対策することが非常に大切です。

別居やDVの証拠集めなど、今後の対応方法を考えている人は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

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執筆・監修
服部 貞昭
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了
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